■体外受精・不妊治療 43際 女性
ーーどうしてアメリカに行こうと思ったのですか?
日本で不妊治療をしたときに、流れ作業のような診療に疑問を持ちました。患者によって治療はそれぞれ違っていていいはずなのに、なぜ手順どおりの決まった対応をするのだろうって。そんな時に、アメリカでは体外受精で妊娠する確立が日本より格段に高いことを知り、一度アメリカで検査してみようと思ったのがきっかけです。
ーーアメリカでの治療を選んだ理由は?
やはり日本で感じたシステマティックな治療方法とは異なるものをアメリカで感じました。ひとりひとりの患者に合った治療が選択できるんです。そのためには診療も非常に時間をかけて、ゆっくり丁寧に説明してくれました。そこが信頼できたし、言葉の壁や海外での手術などの不安も、医療コーディネーターの方がすべて解消してくださったので安心して決断することができました。
ーーアメリカでの治療の特徴は?
妊娠する前に、ホルモン注射を3ヶ月間毎日打ちました。これは日本ではあまりやらない治療だと思います。なぜそれをするのかというと、子宮の壁を厚くすることが目的で、受精卵が子宮内に着床しても流れてしまう場合が多い日本より、アメリカで妊娠する確立が高くなっているのはこれが理由だと思います。
それから、アメリカでは比較的一般的に行われているのですが、受精させる前に可能な限りの遺伝的な疾患を取り除いた精子を選ぶこともできます。日本だと倫理観などもあって抵抗を感じる方もいらっしゃるとは思いますが、その反対で人によってはメリットだとも考えられます。私の場合、高齢出産ということもありましたが、それを患者側が選択できるチャンスがあるというのがアメリカで治療してよかったと思った点です。
ーーアメリカで出産をしてみていかがでしたか?
やはりアメリカの医療技術の高さはもちろん、選択できる治療の幅が広いというのが一番の魅力だと思います。自分にあった治療方法をチョイスできるわけですから。日本では数分で終わる超音波等の診察も1時間ぐらいかけて細かく見てくれる丁寧さがあって、不安はひとつひとつ診療の中で取り除いてくれるので、何の心配もいりません。いま体外受精や不妊治療を考えている方がいらっしゃったら、アメリカで治療をするという選択肢もあるんだということを知ってもらいたいです。
■前立腺がん 66歳 男性
ーーどうしてアメリカに行こうと思ったのですか?
日本で受けた人間ドックでガンが見つかりました。見つかった病院ではすぐに切りましょうと言われましたが、会社を経営している立場で長期の休みは取りたくない、周囲の人にガンであるということもあまり知られなくないと思ったので、なるべくわからないかたちで進めたかった。それで、いくつか他の病院にも行って治療方法を探ってみました。切ると言われたところもあるし、放射線と抗がん剤との併用を勧められたところもあります。その中で自分が望むかたちに近い治療もありましたが、アメリカから入ってきたばかりの治療だとか、試験的に実施されている治療とかで日本での症例数も少なく、日本でするにはリスクや限界があるんじゃないかと感じて。それでアメリカでの治療も考慮してみようと思い立って紹介していただきました。
ーーアメリカでの治療を選んだ理由は?
まずはメディカルチェックを受けるんです。そのメディカルチェックドクターがさらに前立腺がんに特化した専門医を紹介してくれて、そこで年齢やガンの種類、場所、進行度などによって、さらにどのドクターのどの治療が適しているのかというのをコーディネートしてくれる。私の場合は、調べたら星のように散らばっているガンで切ることはできなかったんです。日本で切っていたらどうなったのかと思いますが、そこで進められたのがクライオサージェリー(凍結療法)でした。ガン細胞に針を刺しマイナス130℃に急速に凍らして組織を破壊するというものです。そこでこの凍結療法の全米トップレベルの専門医3人を紹介されて、日本では考えられないのですが自分自身でドクターを選ぶこともできました。全米トップレベルですので、症例数も多いですし手術に対する信頼がおけたのと、何よりもこの治療の場合入院の必要がないということが決断した大きな理由です。
ーーアフターケアについて
凍結療法の場合は、切除手術に比べて肉体的負担も少なく、手術後その日に退院できました。2日目までは尿道カテーテルはつけている状態ですが、3日目にはすっかり通常の生活に戻れるぐらいなんでもなかったのには驚きました。私の場合は、3日後には日本に帰国していましたから、本当に楽でしたね。再検査は1年に1回受けるのが好ましいということですが、それはアメリカで受けても日本で受けてもどちらでも構わないので、何度も渡米しなければいけないということもありません。
ーーアメリカで治療を終えての感想は?
手術から6年経った現在も再発していないです。あの時アメリカ治療という選択肢を見つけられたことはとてもよかったですね。それには、常に治療内容や不明点をわかりやすく説明してくださった専属の医療通訳のバックアップがあってこそなので、スタッフの皆さんにはとても感謝しています。アメリカでの治療を経験すると、日本でも個々人の病気の状態、そしてライフスタイルなどを汲み取って、自分に一番合った治療方法を選択できるというのがもっと普通にできるようになればと思いました。
■乳がん治療 35歳 女性
ーーどうしてアメリカに行こうと思ったのですか?
初めは、自分で乳房を触った時しこりを感じたので日本の病院に行きました。そこで乳がんを宣告されてこのまま入院してくださいと言われました。その時は、乳房の部分切除をしますと言われたのですが、その場で即決するには不安があったので、大学病院をいくつか周りましたが治療内容に納得がいかず、セカンドオピニオンとしてアメリカに行くことにしたんです。乳がんについての治療をホームページ等で調べていたときにアメリカでの治療の体験記を読んだことがきっかけですが、アメリカは言わずと知れた高度医療技術国ですので、そこで自分にとって一番いい治療は何かを模索したいと思ったからです。
ーーアメリカでの治療を選んだ理由は?
私の場合、ステージ2のガンでしたので、乳房の部分切除、それから放射線治療、抗がん剤治療を併用するよう言われました。アメリカで手術をしても、放射線治療は長期に渡るので通常日本に帰ってからすることになるのですが、仕事をしているので毎日通うことが難しいと相談すると、バルーン治療を進められました。これは、5日間乳房の中に風船型の器具を入れて、中から病理箇所に集中的に放射線を当てるという治療です。通常の放射線治療のように1ヶ月以上毎日数分のために通院するのか、5日間で終わらせるのかと考えたら、バルーン治療は魅力的でした。バルーンは広範囲で照射できないので、初めは他のところに転移したらどうするのという不安もありましたが、ドクターが言うには全体照射でも部分照射でも再発率に大きな差はなく、再発のほとんどは一度なった箇所近くで起こるので、再発のリスクの高いところにのみ局所的に照射するので効果はあるとのことでしたので迷いも消えました。この治療方法は、日本ではまだ試験的にしか実施されていなかったので、結果的にアメリカでの治療を選択することになりましたね。
ーーアフターケアについて
1回目の抗がん剤はアメリカでやりました。そのときのレシピを、そのまま日本に持って帰ってきて、日本の病院で調整してもらって約半年続けました。日本での抗がん剤治療は、患者によって変わるのではなくて、みんな同じ量で同じ組み合わせなんだそうです。アメリカでは個々の患者によって調整するのですが、当然だと思います。日本で副作用があったりするのはそういうことも要因としてあるのではないでしょうか。それから、抗がん剤で吐き気を催す人も多いと聞きますが、私の場合はそれがありませんでした。アメリカではそれを止める薬を前の日から飲まされますので、それによって辛い、苦しいというのはありません。手術して3年経ちましたが、現在はホルモン剤を飲んでいます。女性ホルモンを押さえるためですが、それを5年間毎朝飲むのと、年に1度はアメリカでチェックしてもらっていて、今のところ再発もありません。
ーーアメリカで治療を終えての感想は?
乳がんに関わらず、日本だと「(ガンは)開けてみないとわからない」と言われるとよく耳にしますが、アメリカでは絶対にないですね。事前に完璧な検査をするから。そこで再発しやすいガンかどうかまで調べてくれる。その辺のケアもしっかりしてるなと思いました。 それから、アメリカでは手術した周りの組織もとって、外部機関に出して病理検査するんです。私の場合、そこで0ステージのガン(極めて早期のガン)が見つかって、それで1ヶ月後に2度目の手術をしました。これは日本だったら見つけられずに、何年後かに再発と言われるものなんだと思います。そういう意味では、アメリカは検査自体のクォリティも高いと思いますね。医療機器の精度なのか、技師の腕なのか、検査がしっかりしているので再発もしにくいのではないでしょうか。そういう点で、アメリカで治療してよかったと思っています。
■アトピー性皮膚炎 33歳 女性
ーー治療を受けるまではどのような症状でしたか?
物心ついたときからアトピーで、常に痛痒くて、カサカサ、ジュクジュクと常に湿疹がある状態でした。出血するほどかきむしって皮膚が化膿してしまったり、炎症を起こして体に熱を持ったりして、不眠症になることもありました。皮膚がサメ肌のように硬くなると体の動きが制限され、体温調整ができなくなって日常生活もままならず、精神的にも不安定になって。日本でもいくつも病院に通いましたがなかなか治らず、最終的には温泉治療だったり断食療法だったりと、精神論のようなところに行きついたのですがそれでは治らないと思って、海外での治療に興味を持ちました。
ーーアメリカでの治療を選んだ理由は?
海外での治療に興味を持ち始めていろいろ調べるうちに、Dr.マセソンというアトピー性皮膚炎治療の第一人者がアメリカにいるということを知りました。日本からマセソンの治療を何件もコーディネートしているオレゴンメディカルセンターに相談したら、アトピー性皮膚炎はアメリカでは100%治る病気だと教えてくださいました。そこで、この病気による解釈が日本とアメリカではまったく違うということを知って、是非アメリカで治療してみたいと思いました。
ーー日本とアメリカの治療の違いは?
薬に対する認識と処方の仕方、そこがアメリカと日本の治療の根本的に違う点だと感じます。Dr.マセソンは、それまでの日本での治療歴とその時の症状を見て、ひとりひとりにあった治療方法を提示してくださいました。さまざまな治療法を組み合わせていくのですが、私の場合は治療の中でステロイドを使って炎症を鎮め皮膚を丈夫で強いものにしていく治療も行いました。日本ではステロイド剤を使うこと自体敬遠されるし、副作用が気になると思いますが、なぜこの薬を使うのか、使うとどうなるのかという詳しい説明がありましたので、心配はありませんでした。その時使用したステロイド剤は体内に蓄積しないもので、体内に蓄積されることによって副作用のある日本のものとはまったく質が違いましたし、安全なステロイドの投与方法を知っているDr.マセソンだからこそできる治療だと思います。
ーー日本に帰ってからの治療は?
最初のうちはやはり汗をかいたりすると湿疹が出たりもしましたが、症状が出たらデジカメで写真を撮ってメールでアメリカに送ります。そうすると、それを見てドクターが的確な指示をしてくださって、それにあった薬を処方してアメリカから送ってくれますので、特にアフターケアも困ることはありませんでした。初めの肌が弱い時期は薬を飲み続けて、そのうち飲み薬もなくなり、塗り薬の量も減って、だいたい2~3年ぐらいで大きな湿疹はなくなりましたね。その後も1年に1度出たり出なかったりして、今10年目ですが普通の方と変わらない日常生活を送っています。
ーーアメリカで治療を終えての感想は?
日本の治療でできないことがアメリカではできるので、日本でアトピー治療を受けていて効果がない方、行き詰っている方は、是非試していただきたいです。この病気の場合、結婚や就職等、社会生活に障害になると感じて悩んでいる方も多いと思いますが、アトピーは完治するのですからあきらめないでと。いまでは自分がアトピーだったころを忘れてしまうぐらい、皮膚の黒ずみもほとんどなく見た目も普通の方と同じですし、なによりもあのかゆみから解放されたことがうれしいですね。